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笠原 茂樹; 知見 康弘; 端 邦樹; 塙 悟史
材料と環境, 68(9), p.240 - 247, 2019/09
ステンレス鋼のBWR一次系水中環境助長割れ機構検討の一環として、荷重を付与したCT試験片を290Cの高温水に浸漬し、疲労予亀裂先端近傍の酸化物を観察した。酸化物内層は、Fe, Ni, Crを含むスピネル構造の微細粒、外層はFeOの結晶粒であった。FEM解析によるCT試験片亀裂先端の応力、ひずみ分布との比較より、塑性変形に伴う転位と弾性ひずみの重畳によって酸化物内層の形成が促進されることが示唆された。
笠原 茂樹; 福谷 耕司*; 藤本 浩二*; 藤井 克彦*; 知見 康弘
JAEA-Review 2018-013, 171 Pages, 2019/01
軽水炉の炉内構造物については、構造材料であるオーステナイト系ステンレス鋼の中性子照射による経年劣化を評価・予測した上で、健全性評価を行う必要がある。そのためにはステンレス鋼の物性値の照射量依存性等の知見が不可欠である。照射材の物性の代表値や最確値等を議論するには既往データの整理が有効であり、その際、炉内構造物の使用条件が異なる加圧水型軽水炉(PWR)と沸騰水型軽水炉を明確に区別し取り扱うことが重要である。本調査では、照射ステンレス鋼の材料特性を評価した公開文献を網羅的に収集し、データ集を作成した。作成にあたっては、PWRに相応する温度や中性子照射等の条件をスクリーニングの基準として照射データを抽出するとともに、化学成分, 加工熱処理等の材料条件, 照射条件及び試験条件を調査した。これらのデータを物性値ごとにデータシートへ収録し、データ集として整備した。
笠原 茂樹; 福谷 耕司*; 越石 正人*; 藤井 克彦*; 知見 康弘
JAEA-Review 2018-012, 180 Pages, 2018/11
軽水炉の炉内構造物については、構造材料であるオーステナイト系ステンレス鋼の中性子照射による経年劣化を評価・予測した上で、健全性評価を行う必要がある。そのためにはステンレス鋼の物性値の照射量依存性等の知見が不可欠である。照射材の物性の代表値や最確値等を議論するには既往データの整理が有効であり、その際、炉内構造物の使用条件が異なる沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉を明確に区別し取り扱うことが重要である。本調査では、照射ステンレス鋼の材料特性を評価した公開文献を網羅的に収集し、データ集を作成した。作成にあたっては、BWRに相応する温度や中性子照射等の条件をスクリーニングの基準として照射データを抽出するとともに、化学成分, 加工熱処理等の材料条件, 照射条件及び試験条件を調査した。これらのデータを物性値ごとにデータシートへ収録し、データ集として整備した。
根本 義之; 大石 誠; 伊藤 正泰; 加治 芳行; 欅田 理*
保全学, 14(4), p.83 - 90, 2016/01
これまで中性子照射したオーステナイトステンレス合金の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性と、渦電流法,交流磁化法で測定した磁気データの間に相関性があることを報告してきた。この相関性のメカニズムを検討するため、本研究では当該試験片の微細組織観察を行い、結晶粒界に沿った強磁性のパーマロイ(FeNi)の生成を確認した。この結果から照射による磁気特性変化の原因は結晶粒界での照射誘起の磁性相生成によるものであり、IASCC感受性と磁気データの相関に関連しているものと考えられる。また高感度,高位置分解能の新規センサープローブの開発を行い、SUS304オーステナイトステンレス鋼照射材の磁気測定に適用した。SUS304の試験片には照射前からフェライト相が存在していたため、照射後の材料の磁気測定に悪影響を及ぼす可能性が懸念されたが、実験結果においては照射量に依存した磁気データの上昇が捉えられた。そのため本研究で開発した磁気測定の技術は照射前からフェライト相を含むオーステナイトステンレス鋼照射材にも適用可能であることが示されたと考えられる。
三輪 幸夫; 塚田 隆; 實川 資朗
プラズマ・核融合学会誌, 80(7), p.551 - 557, 2004/07
環境助長割れは軽水炉炉心材料における問題の1つである。環境助長割れについては、多くの知見が軽水炉の分野で得られてきている。核融合炉の運転温度は軽水炉とは異なるが、核融合炉の水冷却型ブランケットシステムにおいて環境助長割れを予防するためには、軽水炉で得られた知見を活用することは有益である。これまでの知見から、オーステナイト系ステンレス鋼及び低放射化フェライト・マルテンサイト鋼については、水冷却型ブランケットシステムにおいて環境助長割れは重大な材料問題とはならないことが考えられる。しかし、水温,水質及び応力状態などに幾つか不確定な因子の環境助長割れへの影響も考えられる。これらの因子について、今後必要な考慮や試験結果について議論した。
芝 清之; 塚田 隆; 中島 甫; 松島 秀夫; 高橋 五志生; 園部 清美; 小松 俊雄
JAERI-M 91-024, 29 Pages, 1991/03
軽水炉の炉心で使用される構造材料(主にオーステナイト系ステンレス鋼)は中性子線の照射を受けて金属組織的変化を生じ、その結果として高温水中における耐食性が非照射材に比べ変化することが予想される。また、炉心内の線は水環境に放射線分解などの影響を与え、材料の腐食挙動に対し影響を及ぼす。近年、このような炉内での照射を原因とする構造材料の環境劣化の研究が行われている。ここではこのような研究に関連して、中性子照射を受けた材料の腐食特性を電気化学的に測定することを目的とし、ホットセル内で遠隔操作により測定するための技術を開発した。これにより重照射材の電気化学的腐食測定が可能となり、この装置を用いて照射材の測定を行った結果、非照射材とは腐食挙動に違いがあることがわかった。
三宅 正宣*
PNC TJ9605 91-001, 28 Pages, 1990/10
本報告書は、『被覆管内面コーティング膜の腐食評価試験』に関する研究の一部として1990年2月20日3月30日の期間に行われた研究の成果をまとめたものである。今回の研究では、フェライト系ステンレス鋼及びコーティングステンレス鋼の内面腐食感受性を評価することを目的とし、模擬FPとして水酸化セシウムを対象とし炉外腐食試験を実施した。得られた結果は、以下のとおりである。(1)オーステナイト系ステンレス鋼2鋼種及びフェライト系ステンレス鋼1鋼種について水酸化セシウムによる腐食試験を温度500700範囲で行った。腐食試験後、オーステナイト系ステンレス鋼では粒界腐食の発生が確かめられた。一方、フェライト系ステンレス鋼では粒界腐食の発生は全く見られなかった。従って、水酸化セシウムに対するステンレス鋼の耐食性は、フェライト系の方がオーステナイト系より優れていると言える。(2)ニッケルーチタンコーティングオーステナイト系ステンレス鋼、チタンコーティングオーステナイト系ステンレス鋼、アルミニウムコーティングオーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼については水酸化セシウムによる腐食試験を温度500700範囲で行った。ニッケルーチタンコーティングオーステナイト系ステンレス鋼、アルミニウムコーティングオーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼ステンレス鋼について水酸化セシウムによる腐食試験を実施したところ、コーティング層の局部剥離は見られたものの、ステンレス鋼母材に粒界腐食は全く生じなかった。チタンコーティングオーステナイト系ステンレス鋼については、粒界腐食の発生が認められた。ニッケルーチタン、アルミニウムコーティングは、ステンレス鋼被覆管母材の粒界腐食防止のためには極めて有益であると考えられる。
羽田 一彦; 元木 保男; 馬場 治
JAERI-M 90-148, 231 Pages, 1990/09
本報告書は、「高温工学試験研究炉第1種機器の高温構造設計方針」で用いている設計応力強さ等の材料強度基準等の作成方法を定め、この方法に基づいて、「高温工学試験研究炉高温構造設計方針材料強度基準等」を作成したものである。材料強度基準等を定めている材料は、21/4Cr-1Mo鋼NT材-HTTR仕様材、ハステロイXR並びにオーステナイト系ステンレス鋼のSUS321TB及びSUS316である。21/4Cr-1Mo鋼NT材-HTTR仕様材及びオーステナイト系ステンレス鋼については、高速原型炉「もんじゅ」用に定めた「高速原型炉高温構造設計方針材料強度基準等」を準用した。ハステロイXRについては、材料特性を十分に検討して新たに作成方法を定めた。特に検討した項目は、引張特性に関しては、高温で生ずる動的再結晶に対する基本的な対策、クリープ特性はクリープ式の作成方法等である。
白石 健介; 太田 定雄*; 青田 健一*; 榊原 瑞夫*; 寺西 洋志*; 小崎 明郎*; 三浦 立*; 野原 清彦*; 佐々木 晃史*; 高岡 達雄*; et al.
JAERI-M 84-189, 220 Pages, 1984/09
核融合実験炉およびそれに続くトカマク型の核融合炉の構造材料として研究開発を進めている第一候補材料(PCA)および5種類の比較材料について、昭和56年度および昭和57年度に、鉄鋼6社への委託試験および金属材料技術研究所との共同研究として実施してきた試験研究の成果をまとめた。これらの材料の製造・加工性、基本特性は少なくとも316ステンレス鋼と同等であることが確認できた。また、高温水による応力腐食割水性に関する試験によって、PCAは水環境で使用できる構造材料として期待できることが分かった。また、PCAの溶接については、溶接棒の選定を行ない、溶接継手の基本特性に関する試験ができるようにした。
磯崎 敏邦; 大場 敏弘
日本機械学会論文集,A, 46(403), p.292 - 301, 1980/00
著者らは第1報でSUS304鋼母材の高温衝撃引張試験を実施した。本報ではSUS316鋼母材、継手材および溶接金属材の高温衝撃引張試験について報告する。3種の試験片について、室温、400Cおよび550Cの実験温度のもとで静的引張試験と火薬を用いた衝撃引張試験を実施し、SUS316鋼に与える温度とひずみ速度との影響について明らかにした。
笠原 茂樹; 知見 康弘; 西山 裕孝; 橘内 裕寿*; 茶谷 一宏*; 越石 正人*
no journal, ,
中性子照射開始時の温度履歴と照射速度の相違がステンレス鋼の照射効果に及ぼす影響を明らかにするため、JMTRで照射したSUS304及び316Lの機械的性質に着目し、ミクロ組織変化の観点から検討を行った。試験には照射温度約290C、中性子照射量約510, 210n/mの照射ステンレス鋼を用いた。照射開始時の温度履歴の影響評価には、JMTRの出力に追随して昇温した照射材と、照射温度まで昇温した後中性子照射を開始した照射材を比較した。また照射速度の影響評価には、照射速度を約1/5とした照射材を用いた。その結果、JMTR照射材同士の比較においては、硬さ、引張特性並びにミクロ組織発達に及ぼす照射条件の相違の影響は顕著でないことがわかった。発表では、BWR炉内構造物の健全性評価に資するデータとしての適用性検討の一環として実施したBWR炉心照射材データとの比較(いわゆる照射相関)についても議論する。
橘内 裕寿*; 笠原 茂樹; 知見 康弘; 西山 裕孝; 茶谷 一宏*; 越石 正人*
no journal, ,
中性子照射ステンレス鋼の高温水中応力腐食割れ(SCC)機構の検討に資することを目的として、照射ステンレス鋼に特有な局所変形組織形成が表面の酸化皮膜形成に及ぼす影響を検討中である。本報告では、JMTRで中性子照射した後に0.1-2%のひずみを付与したSUS316Lの表面に発現した変形組織に着目し、走査型電子顕微鏡(SEM)及び電子線後方散乱回折法(EBSD)を用いて、局所的な結晶方位の変化について観察・評価した。その結果、照射量及びひずみ付与量に応じて試験片表面にすべり線状の段状組織の形成が認められ、結晶粒界に局所的なひずみ蓄積が示唆される結果が得られた。発表では、すべり線状の組織に着目し、その発現形態・密度等と照射量・ひずみ付与量等との相関について議論する。
笠原 茂樹; 伊勢 英夫*; 筒井 伸行*; 知見 康弘; 西山 裕孝
no journal, ,
原子力機構ではJMTR炉心において中性子照射したステンレス鋼CT試験片を用いた照射下高温水中き裂進展試験を計画中であり、そのため遠隔でCT試験片に荷重負荷するための荷重負荷ユニットを開発した。荷重負荷ユニットはベローズ内圧と高温水圧力の差圧を推力とし、テコの原理で増幅して試験片荷重を発生させる仕組みである。照射下き裂進展試験の実施に先立ち、専用のロードセルを用いて荷重負荷ユニットで付与される作用点荷重を測定するとともにCT試験片のき裂先端における応力拡大係数評価を行った。その結果、荷重負荷ユニットの負荷・除荷制御の再現性に及ぼす構造影響要因を検討し、改善を図ることができた。またCT試験片のき裂進展に伴う応力拡大係数の変化は、一般的な定荷重方式に比べて緩やかであることを明らかにした。
近藤 啓悦; 加治 芳行; 宇賀地 弘和; 塚田 隆
no journal, ,
実機よりも中性子照射速度を高めた材料試験炉での照射実験によって得られた材料データを、軽水炉プラント構造物健全性評価へ適用することが検討されているが、そのためには照射速度の違いが材料劣化に及ぼす影響を評価する必要がある。本研究では、JMTRにて照射速度を制御したSUS304オーステナイト系ステンレス鋼を用いて、BWR水環境中での応力腐食割れ(SCC)進展挙動に及ぼす中性子照射速度影響について評価した。その結果、照射速度がSCC進展速度に及ぼす影響は小さく、また異なる照射速度材においてき裂進展に伴う塑性ひずみ量にも差は確認されなかった。これらの結果から、本研究の照射速度範囲ではき裂進展挙動に及ぼす中性子照射速度影響は小さいと考えられた。
近藤 啓悦; 青木 聡; 山下 真一郎; 加治 芳行; 山本 正弘
no journal, ,
低炭素オーステナイト系ステンレス鋼のSCC発生感受性に及ぼすBWR炉内運転温度での長時間熱時効影響を評価した。冷間加工したSUS316L材に対して288C、14000時間の長時間熱時効を施し、すきま付き定ひずみ曲げ試験(CBB試験)によるSCC発生感受性試験を実施した結果、熱時効により発生感受性が高まる結果が得られた。CBB試験後の試験片表面観察の結果、未熱時効試料と熱時効試料では形成される表面すべり線に違いが確認され、長時間熱時効によって塑性変形が局所化する可能性が示唆された。
笠原 茂樹; 知見 康弘; 橘内 裕寿*; 越石 正人*
no journal, ,
BWR一次系模擬高温水中での低ひずみ速度引張(SSRT)試験の既往知見によると、BWR炉心で3dpa程度まで中性子照射された低炭素ステンレス鋼は照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性を有するが、JMTR照射ステンレス鋼では照射量によらず粒界破面は生じないとされている。この相違の検討に資するため、BWRの起動時の温度履歴を模擬した条件で約3dpaまでJMTRで照射したSUS316LのSSRT試験を実施した。SSRT試験後の破面SEM観察の結果、粒界破面が確認された。既往のJMTR材を使ったIASCC感受性評価研究では、JMTRの起動時に予め昇温した後に照射を開始した供試材を用いており、照射開始時の温度履歴が粒界破面の発現に影響したことが示唆される。この結果を受け、照射開始時の昇温条件が異なる照射材の引張特性評価結果を踏まえた上で、IASCC感受性と引張特性パラメータの関連について検討した。
端 邦樹; 笠原 茂樹; 知見 康弘; 塙 悟史
no journal, ,
BWR一次系水中での環境助長割れにおける応力の影響に関しては、亀裂の駆動力としての力学要因が考えられているが、亀裂先端における酸化の進展への力学要因の影響についてはこれまでに十分には調べられていない。そこで本研究では、亀裂先端における酸化物形成への応力の影響を調べることを目的とし、亀裂の疲労予亀裂を付与した冷間加工316Lステンレス鋼製CT試験片を、290Cの高温水中に7kNの荷重を付加した状態で長時間浸漬し、予亀裂近傍での酸化物の性状を分析した。その結果、亀裂先端近傍では、荷重負荷による塑性変形に伴う転移及び弾性ひずみが重畳することにより、荷重無負荷時と比較して酸化物形成が促進されることが示唆された。